君だけのサンタクロース



「なんかちゃうな、…雰囲気とか」


少し歩いたら、小さな声でリキが小さく呟くように言った。

…雰囲気?

あ、そうか。服とか化粧がいつもと違うからだと思う。

おばあちゃんには大好評だったこのスタイル。

リキは昨日のあたしと、
今日のあたし、
どっちがいいんだろう。




「そっちの方がええ。…似合っとるから。」



あたしの考えてることを手に取るようにそう言ったリキは少し照れて俯いた。


な…なんだ、今日のリキちょっと可笑しい。


そんなリキのせいで、なんだかあたしまで照れてきてしまい、小さな小さな声で“ありがとう”とそう言った。そして心の中ではショップの小安君に感謝を送る。



でも、なんでこんなに嬉しいのかなんて、今のあたしには分からなかった。



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