君だけのサンタクロース
「───────綺麗…」
夕陽の赤と夜の青が混ざり合い、言葉に現せる事が出来ない、幻想的な空。
それが視界一杯に広がり、まるで空に浮いてる感覚に包まれる。
空が、空が、大きい。
東京には無かった、空。
硝子張りのビルに映った空しか見えなくて、ビルの隙間から見える空を見上げては嘆いてた。
空がこんなにも大きいなんて、知らなかった。
…リキはあたしに、これを伝えたかったのかな。
ふと、リキを見た。
微かに揺れる睫毛
夕陽を浴びてブラウンに輝く髪
それは酷く綺麗で。
瞬間、リキと瞳が合った。
知ってた、分かってたよ。
あたしが落ちないように
背中を支えてくれてたこと。
でもね、
どきどきしないように
しらんぷりしてた。
ねえ、どうしよう
ねえ、リキ、どうすればいい?
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