雑談冒険魂★足跡帖?
●今日と言う日 B
目が覚めた。
正確には少し違う、『目を開けた』だ。
結局、寝付けなかったからそうなる。
今日は特別な日。
……面倒な日。
起き上がって教会に行く仕度をする。
…黒いのにしよう。
耳飾りは目が覚めるようなブルーがいい。
靴も黒。
帽子も黒。
髪も目も黒。
黒づくめで家を出た。
教会はすぐ目と鼻の先。
小さな小さな教会。
軋む扉をゆっくり開いて閉じる。
簡単な話。
懺悔室の戸を叩く。
返事を待って、中に入った。
神に伝える。
正確には神父様に。
自分の罪と、あなたが何も出来無い旨を。
神であるあなたは何も出来無いと言う旨を。
それでも自分を許すと口にする神。
いいや違う。
あなたは許しなどくれない。
正確には何もくれない。
どんなに身を削っても、何もくれない。
いや、出来無い。
何も与える事など、出来無いのだ。
懺悔室を出る。
嘘つきは死んで終え。
家に帰ると、何かが弾けるような音と揺れを感じた。
リビングでくつろぐ父と母と祖母に、心配無いと伝える。
真紅に染め直した絨毯は、このリビングに良くあう。
三人とも微動だにせず、ラジオに夢中みたいだ。
自分も座る。
とても楽しそうに口を開けたままの父を見ていると、笑みが零れた。
母は口に包丁を咥えて曲芸まがい。
祖母なんかは、自分の内臓を観察している。
はぁ……。
面倒も済んだし。
ああ……
今日も平和だ。
正確には少し違う、『目を開けた』だ。
結局、寝付けなかったからそうなる。
今日は特別な日。
……面倒な日。
起き上がって教会に行く仕度をする。
…黒いのにしよう。
耳飾りは目が覚めるようなブルーがいい。
靴も黒。
帽子も黒。
髪も目も黒。
黒づくめで家を出た。
教会はすぐ目と鼻の先。
小さな小さな教会。
軋む扉をゆっくり開いて閉じる。
簡単な話。
懺悔室の戸を叩く。
返事を待って、中に入った。
神に伝える。
正確には神父様に。
自分の罪と、あなたが何も出来無い旨を。
神であるあなたは何も出来無いと言う旨を。
それでも自分を許すと口にする神。
いいや違う。
あなたは許しなどくれない。
正確には何もくれない。
どんなに身を削っても、何もくれない。
いや、出来無い。
何も与える事など、出来無いのだ。
懺悔室を出る。
嘘つきは死んで終え。
家に帰ると、何かが弾けるような音と揺れを感じた。
リビングでくつろぐ父と母と祖母に、心配無いと伝える。
真紅に染め直した絨毯は、このリビングに良くあう。
三人とも微動だにせず、ラジオに夢中みたいだ。
自分も座る。
とても楽しそうに口を開けたままの父を見ていると、笑みが零れた。
母は口に包丁を咥えて曲芸まがい。
祖母なんかは、自分の内臓を観察している。
はぁ……。
面倒も済んだし。
ああ……
今日も平和だ。