地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
いつの間にか、座りこんで話してた。
「絶対に、誰にも喋らないでよっ!」
あたしはもう一度頼んでみる。
「なんで隠すんだよ。」
「バレたら大変だからよ。」
「ふ〜ん、わかった。」
…………本当か?
ちょっと不安…………
奴が言ったことに不安を感じていると
「杏ちゃん、僕喋ってもいい?」
今まで黙ってた藍鬼が喋った。
ちょっと存在忘れてた…
「おいチビ、名前何て言うんだ?」
奴が藍鬼に話し掛けた。
「藍鬼だよ。」
「藍鬼?」
「うん!僕の目藍色でしょ?」
「だな。」
「そこから杏ちゃんが名付けてくれたんだ。」
ニコニコしながら言う。
「そんなに嬉しいのか?」
「もちろんっ!妖にとって名前を貰えるのは、命を貰えることと同じくらいで宝物なんだよ!」
「へぇー。」
奴が藍鬼の話しに頷く。
「名前はね、一番短い呪(シュ)なんだよ。」
「呪?」
あたしの言葉を奴が繰り返す。