地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
あたしの言葉に陸の眉がピクッと動く。



「何?王子様は昼寝しちゃいけねーのかよ?」



そういってジリジリと近づいてくる。


「い、いやっそういう訳じゃないよっ!」


首を左右に振り、否定する。


しかし…



あたしは後ろを本棚に、前を陸に挟まれてしまった。


「えっ!?ちょっ、ちょっと近くない!?」


あたしの顔に陸はぐいっと自分の顔を近付けて来た。


距離にして10センチくらい…



「…杏。」
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