地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「呪っていうのは、願掛け。こうなって欲しいという願いが込められてるんだ。」
「その中でも一番短いのが名前。」
「じゃあ…皆にあるのか?」
「もちろんっ、その名前を何回も呼ぶことで、名前の通りの人物になっていくんだよ。」
「……いいこと聞いたな。」
奴は、あたしに向かって笑った。
ふと、家庭科室の窓から空を見るとだいぶ暗くなってた。
そろそろ帰らないと……
「暗くなってきたし、ここ出ない?」
奴にそう問い掛けると
¨だな¨と言って立ち上がる。
家庭科室を出て、藍鬼の手を引きながら尋ねる。
「そーいえば、あんた名前何て言うの?」
あたしが聞いた瞬間、彼は驚いた顔をした。
あれ?あたし変なこと聞いてる?
首を傾けるとはぁ〜とため息を吐かれた。