地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪

「じゃーな。」


そう言って、あたしの手首にもう一度キスを落とすと、図書館を出て行った。




ペタン……


陸がいなくなり、床に座り込む。


「…またキスされちゃった…。」


静かな部屋に、あたしの声が響く。


…しかも初ベロチューだし…。



バカ陸っ!!

図書館でなにやってんのよっ!!



いや…初めは、アザのこと心配してくれたけど…


あんなことしたら、全部なしだぁ―!!


「ありえなーい!!!」


あたしの叫びが部屋中に響いた。



陸にキスされた手首の痛みが、さっきより引いてることに気付いたけど、なんか認めたくなかった。
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