地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
あたしが座っているところは、明かりがなくて暗め。


まぁ…夜の9時過ぎだから当たり前なんだけど。



暑くもなく、寒くもない。

風が少しあって心地いい。

暗闇をボーっと眺めていると、


「大丈夫かよ、お化け役なんて。」

男の子に声を掛けられた。

目線を上げる。


暗闇に慣れていた目は、男の子が誰なのか、はっきりとわかった。


「……陸。」


立っていた陸は、あたしの隣に腰を下ろす。



二人用のベンチなはずなんだけど、陸と二人で座るとちょっと窮屈。


あたしと陸の肩が触れ合ってて、なんかドキドキが止まらない。



「な、なんでこんな所にいるの…?」


黙ってることで余計にドキドキするから、話し掛けてみる。
< 194 / 628 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop