地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「…ん、杏がお化け役やるって聞いたから。」


「え…? うん、まぁ…。」


「一人で大丈夫か?」


あたしの方を見て、優しく問い掛ける。


「…うん、この土地にいる妖怪達も手伝ってくれるし…。」


目を伏せながら、返す。


「よかったな。」


コクンと頷く。
この前のことがあり、顔が上げられない。



でも陸にそんなことバレたくなくて、冷静を装う。


…って!!

「こんな所にいていいの!?」


「は?」


あることを思い出し、バッと顔を上げる。

「だって…あたしなんかと二人でいる所を見られたら…!」


血祭りを想像し、ビクッと体が震える。



「大丈夫だろ、ここ皆から離れてるし…バレねぇよ。」
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