地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
……!!??


藍鬼!?


『杏ちゃーん』


あたしを呼ぶ声が近くなる。


あわわわ…こっちにきてるっ!!



「りっ陸!!離れてっ!!」


あたしはバシバシと叩く。

「いって…バレねぇよ。こんな暗い中じゃ…。」


「バカっ!!妖の目は、昼も夜も変わんないのよっ!!!」


すぐに見つかる!!


そう思ったあたしはさっと陸から離れる。


乱れた浴衣を素早く直す。


終わった直後、藍鬼が駆け寄って来た。



『杏ちゃーん!!!』


ガバッと足に抱き着く。


抱っこ!と甘えるので抱き上げると、胸にスリスリしてきた。



「…なんで藍鬼はいいんだよ…。」


ボソッと陸が呟くが、あたしには聞こえなかった。
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