地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
『杏ちゃん、もうすぐD組始まるよ?』


「えっもう!?」


そんなに時間経ってたんだ。

てことは…その時間全部、陸とあんなことしてたの!?



『あっ!陸くんだぁ!!』

陸に気付いた藍鬼は、あたしから降り、ベンチに座る陸に近づく。


「おう藍鬼、久しぶり。」

抱き上げて膝に乗せる。


『杏ちゃんと一緒にいたの?』


「まぁな…。」


『えーそれなら僕も早く来ればよかったぁ―!』


「…いや…お前のお陰で杏と“イイコト”出来たし。」


『“イイコト”?なーにそれ?』


ニヤリと陸があたしを見て笑う。



ヤバイ!!藍鬼にバレるっ!?


「藍鬼っ何もないんだよ!」


喋っちゃいそうな陸から藍鬼を取り上げて、ギュっと抱きしめる。
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