地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
露天風呂の脱衣所から出る。


3人で部屋まで歩いていると


「松沢さん!」


後ろから呼ばれ、足を止める。


「はい?」

柚莉と二人で振り返ると、

同じ班の武田君と上田君がいた。



「松沢さん今帰り?」

「うん、杏樹と露天風呂行ってたの。」

「えっ杏樹って神崎さん?」

「うん。」


柚莉の言葉に、二人があたしを凝視する。


「えっ?ホントに神崎さん?」


武田君があたしに確認してくる。



「は、はい…。」


なんでそんなこと聞くんだろう?

不思議で首を傾げる。


あたしの心情を読んだのか、藍鬼が言った。


『…杏ちゃん。今、眼鏡と三つ編みしてないよ?』
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