地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「…っ陸…帰ろ…?」
あたし達テニスコートから来たまんまだし…。
「上田君…達…待って…るから。」
ガシっと手首を押さえられた。
「…他の男の名前呼ぶんじゃねぇよ。」
甘く熱を帯びた目であたしを捉らえる。
まただ…昨日と一緒…。
この目で見つめられたら、あたしは抵抗出来なくなる。
頭ではダメって思ってるのに、体が陸を受け入れてしまう…。
なんで………?
小さく体が跳ねる。
ちくっ…!
「んっ!」
首筋に小さな痛みが走った。
「えっ…なに…?」
訳がわからなくて、閉じていた目を開け、陸を見る。