地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
暴れるのをやめたと同時に

ガチャ…と医務室の扉が開いた。


ピキーン!!

体に緊張が走り、強張る。


「陸様いますかぁーー?」

女の子の高い声が、部屋に響く。



あたしと陸は、入口から1番離れた所にあるベッドにいる。


お陰で女の子からは見えないらしい…。


「誰かいませんかぁー」


再度呼び掛けるが、誰もいないと思ったらしく、扉を閉めた。



パタパタと走り去る足音が聞こえた。



完全に音がしなくなったのを確認し、陸が手をあたしの口から離す。



「はぁ…はぁ…危なかった…」


肩を上下に動かし、息を整える。



「危ないのは、今もじゃない?」


上からあたしを見下ろしながら言う陸。


口元には笑みが浮かんでいた。
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