地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
―この頃、油断してたんだ。


陸とのことに頭がいっていたのかも知れない。



ロン毛ヤローの言っていた


『あるお方の命令。』


それをすっかり忘れていたあたしは、バカだった。



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「えーじゃあ、田川!この英文読んで。」


「はい。

We bought a new house in the countryside and planted two apricot trees in the backyard.」


「良いぞ。発音もよかった。…じゃあこの文法を…」


3限目の英語の授業中。


宮下先生が担当のため、寝ている生徒はいない。


キラキラの視線を送りながら授業を聞いている。


そんなクラスメート達を横目で見て、あたしは窓から空を見上げる。
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