地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
抱きしめたまま、場所を移動する。
気づいたときには、日陰のある場所に来ていた。
「落ち着いたか?」
「・・・・ヒクッ・・うん。」
あたしを抱きかかえたまま、その場に座る。
あたしは、陸のあぐらをかいた中に座った。
座っても、手は陸の首にまわしたまま。
「杏って虫だめ?」
「ダメ・・ってかムリ。」
「意外。妖怪で似たようなやついるだろ?」
「妖怪は平気。だけど虫とか、は虫類はムリ。」
「泣くほどだもんな?」
「・・しょうがないじゃん、ムリなんだもん。」
チャリ・・・
首に顔を埋めていると、陸が後ろからネックレスを引っ張り出す。
「ひゃあ・・・」
「ちゃんと、つけてるんだな。」