地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
藍鬼が顔をのぞき込む
「えっ?」
頬に手をやると温かい物で濡れていた。
あれ・・・あたし泣いてたんだ
「ーーッヒク・・・・っく・・・」
自覚した途端にポロポロと泣けてくる。
”杏は俺だけのものだから”
”他の奴に触らせっかよ・・・”
「っく・・・うう・・・・」
プールに行った日に言われた言葉がリピートして離れない
泣いてるあたしを藍鬼が心配そうに見る。
心配かけちゃダメだ・・・・
座り込んでいたのを止め、立ち上がる
「杏ちゃん・・・?」
「ごめんね?いきなり泣いたりして」
フルフルと首を振る藍鬼