地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
柚莉の席に目を向けた。




っ…!


「柚莉っ」



パリンと鳴るガラスを踏みながら駆けよった





「杏…樹……いた…い…」



涙を堪えながら痛がる柚莉


白い手足が紅色に染まっていた。



「っ……!」



制服のシャツがジワジワと紅く染まっていく。




「痛い…よ…」



顔をしかめる



「柚莉っ…しっかりして!」



体を抱き起こし、顔を覗き込む。



「ふぇっ…あん゛…じゅ…」



堪えていた涙が頬を滑り落ちる。




出血が酷くらしく、あたしの制服までが紅く染まっていく。
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