地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
このままじゃ…死んじゃうっ!!!
やるしかない……
柚莉をガラスが落ちてないところに寝かし、
メガネとヘアゴムを取った。
頭を振り、髪を解く。
「今、楽にしてあげるから」
安心させるように微笑み、髪を撫でて手で印を組む。
柚莉の足に組んだ印を置き、呪文を唱えた。
「…この傷…かの娘に課すべからず。よって…我の霊力をもって…痛みを還りて治癒と為せ!」
あたしの霊力が動き出し、大きな力が柚莉に向かっていく。
ブワリ…と髪がひるがえった。
柚莉の体が明るい光で包まれる。
「ん…」
少し柚莉の体が動いた。
光が収まる頃
柚莉の怪我は大分治っていた。