地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「…柚莉?大丈夫?」
床に手をつき、顔を覗き込む。
「…あん…じゅ…?」
ゆっくりと閉じていた目を開き、あたしを見た。
「体痛い…?」
「ううん…痛くない…」
ぎこちなく首を横に振った。
「はぁー…よかった…」
大きく息を吐き、胸を撫で下ろした。
「柚莉っ!?」
大きな声で名前を呼び、誰かが駆けよって来た。
誰?
顔をあげると相澤君の姿
「大丈夫かっ!?」
寝てる柚莉を抱き起こす。
「…っっ…ゆ…う…!」
相澤君を見た瞬間
「ふっ…んぅ…ふぇっ…」
大粒の涙をこぼしながら泣き出した。
「柚莉っ…!!」
強く…だけど優しく抱きしめる相澤君…