地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
床に倒れ込みそうになったとき………



ぐいっ……!




誰かに腕を引っ張られた。


ポスッ―…


温かい腕に抱き留められる。




「…え……だれ…?」



顔をあげ相手を見る。



っっ―…!?
ウソっ!?



なんで“彼”がいるの?




「すいません…もう大丈夫なんで。離して下さい。」


とっさに相手の胸を押し返し、離れようとする。




だけど…逆に強く抱きしめられた。




「…離して。」



多少睨みつけてみる。




けど“彼”は無言のまま



「ひゃっ!?」



あたしをお姫様抱っこした。




そのまま生徒玄関とは反対の方角へ歩き出す。



「ちょっと!」



ジタバタして暴れようとするが無意味な抵抗らしく、

“彼”はびくともしない。





「〜〜〜っ!降ろしてっ滝本君っ!!」
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