地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
私を見て、ニコリと笑う。


だけど、目が笑ってない。



「だっ…誰!?」



胸の前で震える手を握り締めた。



本能で、“危ない”と感じている。


だけど体は床に根を生やしたみたいに動かない。




『そんなに震えなくても…』


笑ったまま続ける。



その笑顔が私を硬直させた。



『…今日は、パーティーにある人を招くための準備をしに来たんです。』



「パーティー?準備??」

『はい。』



聞き返すと頷いた。



話し方は紳士的だけど、今の私には恐怖。




「…準備だがなんだか知りませんが、私には関係ないことなので……出て行って下さい。」




体中から変な汗が出て来る。


震えを我慢しながら相手に強気で返した。
< 466 / 628 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop