地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
『……そうですか。

なら早く帰りましょう。』



意外にも、すんなり聞いてくれたと思った。


しかしその考えは

次の言葉で崩れ落ちた。





『…じゃあ……準備を早く済ませましょう。』


「…っ!!??」




相手との距離はさっきまで確かにあった。



しかし…いつの間にか目の前まで迫って来ている。



逃げなきゃっ…!


ドアに向かって走る



が……



パシッ!!



「…っ!!?」


声にならない悲鳴を上げる。


腕を掴まれて動けなかった。




『大人しくしろ。あんたは、パーティーにアイツを招くための“下ごしらえ”なんだから』



口端を上げ、気味悪く笑った。
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