地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
目の前には苦しむ柚莉。





あたしの脳裏には、初めて柚莉と出会った時のことが浮かぶ。




ボールがあたしんちに入って来て―…



取りに来た女の子が、柚莉だったんだ。




庭で遊んでいたあたしは、いきなり現れた可愛い女の子に戸惑った。




『何してるの?』


可愛い声で話しかけられた。



『…お勉強』

小さく返す。



『すごいっ!何のお勉強?』


ニコッと笑い、近寄ってくる。








それが、あたし達の始まりだった。





それから、十年以上…

いつも一緒にいた。







だから………柚莉が居なくなるなんて……考えられない。





『私、柚莉っていうの!
よろしくね、杏樹ちゃん!』



柚莉の笑顔が浮かぶ
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