地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「…っ…!…くっ…」
うめき声を上げ顔をしかめる。
堪らずに手を握ると
柚莉はあたしの手に爪を食い込ませた。
「―…っ!」
血が出るぼど強く。
この痛みがあたしの調伏によっていつまでか変わってくる。
「あんっ……じゅ……た…す…けて……!」
途切れ途切れに言う柚莉。
目を閉じ呼吸を整えた。
静かに目を開く。
「…死なせはしない。絶対に護る。」
小さく呟き、手で印をつくる。
心の中である決意をした。