地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「…ひゃっ…!?」
後ろから伸びてきた手に、手首を掴まれた。
「お前、どうした?」
立ち止まり陸を見る。
「どうもしてません。」
きっぱりと返す。
「嘘つくな。何抱えてんだ?」
「…何もないです。」
努めて冷静に。
そうしないと、すぐに息が上がってしまいそう…
むにゅ……
「んが!?」
両手で頬を包まれた。
「杏…俺に言えって!!」
「……滝本君には、関係ないでしょう?」
「…………。」
もう限界だよ……。
「…というか、こうやって会うのもやめにして下さい。」
リミットが迫る