地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「はぁーー………」



肺が空になるまで息を吐く。



「……って……陸様っ!?」



落ちた杏樹を受け止めた人物に周りが気付く。




「お怪我はありませんか!?」



女子達が駆け寄って来る。



そんな彼女達を見て、陸は腹を立てた。




自分より階段から落ちた杏樹を心配しないのかと。




怒鳴りたい気持ちを抑え、言葉を返した。




「大丈夫だよ。彼女もね。」



その時、初めて杏樹を見る彼女達。




「あぁ……この子なら平気でしょう。」



冷たい目で杏樹を見る。



その目には、“なんで陸様に助けてもらってるのよ!…このブスがっ!!”



と言う悪意が込められていた。
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