地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「神崎さんっ!?」
騒ぎを聞いた上田が階段を降りて来る。
「大丈夫っ……滝本?」
杏樹を抱えていた陸に声をかける。
「あぁ……上田君だっけ?」
「神崎さんは無事か?」
杏樹の顔を見る。
「気を失っているだけだよ」
ほのかに笑った。
周りの女子達は、この地味子にイケメン達が駆け寄って来たことに腹を立てていた。
「…俺が保健室まで運ぶよ」
上田が陸から杏樹を受け取ろうと、手を伸ばした。
「……………いや、良い。
俺が連れてく。」
上田はポカンとなった。
陸が“俺”と言ったから…
上田を放って、杏樹を持ちあげた。
「「キャーー///////」」
女子から悲鳴が上がる。
陸が杏樹をお姫様抱っこしたためー……