地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「彼女を保健室に運ぶから、先生に遅れること伝えといて?」
ニッコリ笑い、近くにいた女子生徒に言った。
「はいっ…///////」
赤くなる女子生徒。
伝言を済ませた陸は、階段の上を見る。
固まってる女子生徒が一人。
「…アイツがやったんだな」
小さく呟き、杏樹を抱える手に力が入った。
今すぐにでも、胸倉を掴んで怒鳴り散らしたいが
杏樹を保健室に運ぶのを優先させた。
代わりに、
思いっ切り睨んだ。
震え上がる女子生徒だが、このくらいで済んだことに感謝して欲しいくらいだった。
「やるね…………王子様」
影から、宮下海人が見ていた。
「………!?」
それに気づき、背筋がさっと冷える陸。
ニヤリと笑い、その場を去った。