地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
優しく抱き締められる。
「はぁ―……無茶すんな」
「…してない。これくらい平気。」
陸と会話が続くため、息が上がってくる。
「そんだけ、ハァハァ言ってんのにか?」
「……滝本君には関係ない。」
手で陸を押し返し、離れた。
ハァ……ハァ………
押し返したのに………
また引き寄せられる。
「頼むから…寝て……」
お願いのように片口に顔を埋めて言う。
「……なんで。あたしが大丈夫って言ってるんだから。」
「……良いから、寝ろ。……………命令」
強い口調でも、背中をさする手は優しい。
ずっと……欲しかった温もり