地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪



『…柚莉?…あたしだよ?』



床に膝をつき、杏樹の声を使う。




「…ん……杏樹…?」



『起きれる?…大事な話しがあるんだ。』




優しく話し掛ける




「…うん、わかった。」



杏樹の声なので、疑うこともなく返事をする柚莉









肘に力を入れ、起き上がった。



「なぁに…?杏樹…」





その時


初めて目を開けて、そこにいるであろう杏樹を見た。



「…!?……貴方は…!!」




そこにいたのは



大好きな親友ではなく





黒い翼を持った男だった。




『さぁ……パーティーを始めよう』





ニッコリ笑った顔は、よく学園で見ていたものだった。



「あっん……じゅっ……!!」




親友の名前を呼ぼうとしたが……



男によって気を失わされた。
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