地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
休み時間――……
頭痛がまた酷くなって来て
保健室に行こうかと考えていた時だった。
♪〜〜♪〜〜♪〜〜
着メロが鳴り、電話に出る。
《杏樹……柚莉ちゃんが居なくなった。》
出た瞬間にじいちゃんに告げられた言葉
頭から冷水を被ったような感覚
胸の辺りがスーッと冷えていく
寒くもないのに、体がガタガタと震え上がる
カタン………
ケータイが机に落ちた。
《杏樹?杏樹??
早く柚莉ちゃんの家に向かいなさい。
わしも今から行く。》
それだけを言うと電話を切られる。
通話を切った後のツーツーという機械音が聞こえてくる。