地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
しばらく呆然となっていた。
「…い、行かなきゃっ!!」
ケータイだけを握り締め、教室を飛び出す。
アドレス帳から柚莉の番号を出して、かける。
生徒玄関を目指しながら耳にケータイを当てた。
「お願いっ…出て柚莉っ!!」
長い廊下を全力で走る。
ドンッ!!!
途中、誰かにぶつかった。
「す、すみませんっ!!」
軽く頭を下げてまた走ろうとした。
「どこ見てんだ!このブスがっ!!!」
ぶつかった男子達から罵声を浴びせられる。
再度頭を下げて、謝り、走り出す。
「…チッ……ブスがっ!!」
後ろで色々言われていたけど
今のあたしには、どうでもいいことだった。