地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
走り、柚莉の家に着いた。
「おじさんっおばさんっ!!!」
玄関を開ける
そこには、頭を抱え込むおじさんと、泣いているおばさんがいた。
「…来たか……杏樹。」
じいちゃんがチラリとあたしに視線を向ける。
「じいちゃんっ!!」
靴を脱ぎ、部屋に入る。
「見た通りじゃ。
易々と結界の中に入り
柚莉ちゃんを奪った。」
「…そんな………!」
ペタンとその場に座り込む。
部屋は荒らされた様子はなく、きれいに片付いている。
「…妖怪じゃないのかのぅ……」
じいちゃんが呟いた。
「えっ?」
「…わしの結界は完璧じゃった。
例え…飛行機が墜落しても破れん。
簡単に入れるのは妖怪達では中々いない…
神なら別じゃがなぁ……。」