地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
それを受け流し、体育館の中へ入っていく。
走ることもなく、ゆっくりと呼吸を整えながら歩く。
自分のクラスには並ばずに
体育館の中心……
宮下の真っ正面に向かって。
ようやく、たどり着いた。
周りは、あたしがクラスに並ばないので怒ったり注意してる。
ガヤガヤうるさくなってきた。
中には、あたしに対しての中傷や罵声など……様々だ。
そんな中でも
あたしが見ているのは、
ただ一人
宮下 海人
いや………
クロノスだけだ。
静かな声で奴に言った。
「………………柚莉を返して。」