地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
あたしの言葉を聞いた宮下は、一瞬目を見開く。
しかし、すぐに元の表情に戻った。
『…柚莉?……あぁ…松沢さん?
俺は知らないよ?』
ニコニコと笑いながら返す。
「……体育館内にはいるんでしょう?
さっき、あたしで全校生徒が揃ったって言ったし。」
冷静に、慎重に。
奴らを怒らせたら、
生徒達に被害が来る可能性があるから。
『……へぇー…鋭くなったね?』
クスッと馬鹿にしたように笑った。
「……おかげさまで。
じゃあ…柚莉を返してくれても良いでしょ?
……………クロノス。」
奴の眉がピクリと動いた。
『…返すよ?
ただ……パーティーが終わった後だけどね?
骨と皮……どちらを返して欲しい?』
ニヤリッと気味悪く口端を上げた。