地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
前に見た時より、生気が薄くなっているような気がした。
「柚莉っ!?
怪我してない??」
全身を見るけど、怪我はしていなかった。
『…本当に、この娘が大切なんだ?』
口端を上げてあたしを見下ろす。
ドクンッ……
「かはっ……ゴホゴホッ……!」
見下ろされた瞬間
息が詰まった。
呼吸が出来なくなる。
喉の奥で呻き声を押し殺しながら、胸元を押さえた。
「杏樹…!?」
ステージの上から柚莉が心配そうに名前を呼ぶ。
『…苦しいだろう?俺が直々に仕込んだ呪詛だからな』
「!!?」
柚莉が目を見開く。
「…っっ……うる…さ…いっ!」
途切れ途切れになりながらも、言葉を返す。