地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
中には、
呪符、数珠、手甲など
退魔に必要なものが入っていた。
じいちゃんにお礼を言い、
仕度を始めた。
二つ結びにしていた髪を解く。
手で軽く梳いて後ろに流した。
ネクタイを緩めて、シャツの第二ボタンまで外す。
シャツの袖を2回程捲り、黒い手甲をはめる。
スカートを4.5回程折って、膝下だった丈を太股の真ん中辺りまで上げた。
最後にメガネを取り、軽く頭を振る。
抑えていた霊力が戻り、呪詛の苦痛を少し和らげる。
「最初から、この姿なら耐えられたのかも…」
小さく息をついた。
床に置いた道具を持ち上げる。
数珠を首に掛けた時
あるものの存在を思い出した。
「……ネックレス……返さなきゃ…」