地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
*最終章*
†パーティー開始
杏樹が飛び込むと
すぐに穴は消えて無くなった。
「……杏…っ…」
陸は拳を握り、俯いた。
「……君は………滝本財閥のとこの息子さんかのぅ…?」
ゆっくりと、杏樹の祖父が近付いて来た。
顔を上げる陸。
「……はい。」
「…そうか……滝本財閥のご子息……杏樹も、時期が来たのかのぅ…」
「………えっ……?」
手を顔に当て、唸る祖父。
「…どうかされましたか?」
不思議な陸は尋ねる。
「…いや……私どもの家のことです。お気になさるな。」
人当たりの良い笑みを浮かべ、答えた。
「ここの空気は、少し濁っておるのぅ…」
そういうと、祖父は口の中で、何か呪文を唱えた。