地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
呪詛が動きの反応を鈍らし、虎の鋭い爪が背中に切り掛かる。
「―――――!」
背中に生温かいものが流れる。
痛みで、膝をついた。
『…さぁ……お方様の力となれっ…血も肉体も…!』
「―…っ………!」
ぼこりと音がした。
片目で視線を巡らすと
地下から次々と妖怪達がはい出てくるのが見えた。
限界がないっ―…!
あとからあとから出て来たものたちは、今か今かとあたしをギラギラした目で見る。
飛び掛かる馬を転がりながら避けると
鼻先に鎌が振り下ろされる。
「に、人間までいるのっ!?」
あたしの声にニヤァ―と笑う。