地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「ハァ……ハァ…………」
静かになった周りを見渡しながら
ゆっくりと起き上がった。
座り込み、肩を押さえる。
カーディガンが湿っていた。
「…行かなきゃね…」
足に力を入れて立ち上がる。
ノロノロと足を運んだ。
ぱたぱたと、左手の指先から鮮血が落ちていく。
どうやら片口の出血は酷いらしい。
さっきの退魔法で、力を使い切った気がする。
呪詛の毒
蝮(マムシ)やコブラの毒を一度に受けた感じだ。
さらに男達に埋め込まれた毒……
体の細胞が破壊していくような痛みが、ジワジワと迫って………
正直………辛い………