地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「…悪趣味………」
悪態をつきながら、扉のとってを回した。
ギィ―――………
薄暗い部屋の中―――…
あたしは暗視術を使ってるから、問題なく見渡せた。
奥のソファーにドスンと構えている男がいた。
「……クロノス………」
名前を呟くと
奴が、ニヤリと笑う。
『…ようやく…来たな俺の花嫁さん………』
花嫁――!?
んなら、もうちょっと優しく歓迎してよっ!(怒)
ここに来るまで、どんな思いをしたと思ってるの!?
「……花嫁の前に、柚莉を返して」
低い声を出して睨みつけた。
『…あぁ……そうだな……………来い』
奴が、紐みたいなのを引っ張る。
奥から、白いワンピースを着た柚莉が出て来た。