地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪



部屋を静寂が支配する。








あたしの返事を聞いたクロノスは、嬉しそうに口端を上げる。






『………良いんだな?


今以上の苦痛を味わうことになるぞ…?』



確認して来る。





「…わかってる。


アンタの嫁になるってことの意味くらい。


一生…あたしが死ぬまで、玩具として弄ぶんでしょう…?」




『わかってんだな。

自分の運命を………』



クスッと笑うクロノス。






「…まぁ……現実の世界でも

あたしの貰い手は居ないだろうし……ね?」


ほのかに笑った。





「杏樹ッ…!?」


柚莉が名前を叫ぶ。



それを無視して、奴にあたしは近付く。
< 576 / 628 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop