地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
部屋を静寂が支配する。
あたしの返事を聞いたクロノスは、嬉しそうに口端を上げる。
『………良いんだな?
今以上の苦痛を味わうことになるぞ…?』
確認して来る。
「…わかってる。
アンタの嫁になるってことの意味くらい。
一生…あたしが死ぬまで、玩具として弄ぶんでしょう…?」
『わかってんだな。
自分の運命を………』
クスッと笑うクロノス。
「…まぁ……現実の世界でも
あたしの貰い手は居ないだろうし……ね?」
ほのかに笑った。
「杏樹ッ…!?」
柚莉が名前を叫ぶ。
それを無視して、奴にあたしは近付く。