地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
ガリッと
首筋に牙を立てた。
「―――…っ!」
痛みが走り、右手がピクリと動いた。
顔の横で、ゴクゴクと喉を鳴らしながら、血を吸われる。
左手は、肩の傷が深く
腕ごと動かない。
『……なんと白い肌……!』
首筋から離れて上から見下ろす。
指先で鎖骨に触れる。
『……細いくせに、あるもんはあるんだよなぁ……!』
「…………………。」
顔を横に向けたまま、あたしはピクリともしない。
『そうか……早く…欲しいんだな…?』
ニヤニヤと体を触る。