地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪


息を吸い込み、気合いもろとも呪言を唱える。



「縛縛縛、不動縛!」





あたしの霊力がクロノスを、見えない鎖で縛り付ける。





右手だけで印を作り、術を強めた。




『…っぐ……!おのれぇーー!』



あたしの上でもがくが、


指一本動かすことは出来ない。





「……同じ変態でも、陸の方がずっと良い………」



『…良いのかっ…逆らえば、お前の大事なもの全て奪ってやるぞ…!』



睨みつけられるが

こんなものより


大切な人を失う方がよっぽど怖い!





「…簡単に手ェー出すなっての!!


何もかもアンタの思い通りにはさせないんだからっ!」




あたしはスカートの内ポケットから符を出す。
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