地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
クロノスの絶叫が妖気となり、あたしの四肢を切り裂く。



呪詛の毒を強められ、内臓が悲鳴を上げる。




血の味が喉にせりあがった。



体がバラバラになりそうな痛みに襲われる。




ごほっと血を吐きながら


クロノスにとどめを刺す。



「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が創りし三雷神よっ

タルタロスに還すべく


眼前の悪霊に雷電を叩き落とせっ……



雷電神勅、急々如律令―――!』






稲妻の音が洋館を揺るがす。





その瞬間




天井を突き破り、白刃のような純白の神聖な雷が




クロノスに向かって落ち、


体を貫き通した。






彫像のように硬直したクロノスを

貫いた雷が内側から爆風とともに弾けらせた。









押し寄せる激流をもろに食らって、あたしは吹き飛ばされる。
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