地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「「「キャー……!」」」
あたしが体育館に降り立つと悲鳴が上がった。
「柚莉っ…!」
理事長とじいちゃん、相澤君が駆け寄ってくる。
あたしの術で作った式が、柚莉を体育館の床に下ろした。
「おじいちゃんっ!」
駆け寄って来た理事長に、自ら飛び込む柚莉。
理事長はしっかりと抱きしめる。
「…よく…頑張…ったな…!」
理事長も涙声で言葉を返した。
あたしも側に座る。
「……ありがとう…っ……杏樹君…っ…!」
頭を下げられてアタフタした。
「…そんなっ……柚莉が、耐えて頑張ったから……あたしは何もしてません……」
逆に巻き込んだことで危ない目に遭わせたのはあたし。
申し訳なくて頭を下げた。