地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
陸は杏樹のカーデを脱がせる。
シャツの首から下は、真っ赤に染まり
カーディガンは血を吸って重たくなっていた。
左肩から止まることなく、血が溢れ出す。
首筋にも噛まれたような傷があった。
「…なんで……こんなになるまで……人のことしか考えねぇーんだ…?」
頬を撫でる。
「…杏…っ…!目ェー覚ませっ……!」
抱きしめる腕の力を強めた。
「……んっ……陸………?」
僅かに目を杏樹が開けた。
陸だとわかった瞬間
ふわりと嬉しそうに笑う。
しかし、すぐに顔を歪めた。
「杏…?どっかいたいのか?」
フルフルと首を振る杏樹。
「……あたし…っ……血まみれだから……陸の制…服汚しちゃうよ………」