地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
こんな時まで、人のことしか頭にない杏樹………
「制服なんてどうでもいいだろ…?」
「…そう……か…な……?」
柔らかく笑う杏樹。
「…でも…ね…?望みが叶っ…て嬉し…いかも………」
本当に嬉しそうに笑った。
「望み…………?」
聞き返すと頷く。
「…最後にね……?
もう一度…陸に抱きしめ……て欲しか…った……んだ………」
「…………っ!!?」
「えへへ………叶っちゃった……これで悔い…な…く眠れるね………?」
陸を見上げてニッコリと笑った。
「……バカ杏っ………!」
「…ま…た…バカ…って…言…った……!
陸よ…りは………語…学力ある…もん……」
笑いながら、文句を言う杏樹。