地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
†一週間後
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《杏っ―……!》
大好きな声に名前を呼ばれた。
けど、誰なのか分からない。
「…誰だっけ……?」
あたしは首を傾げる。
思い出そうとしても、分からない。
大切な人なんだろうけどなぁ〜…
すると、また声がする。
《帰って来てくれっ……!》
「どこに…?」
問い掛けても
答えてはくれない………
「本当に誰だっけ……?」
ポツンと一人
暗闇の中で考える。
周りには何もない。
風も、草や木も………何も。